日本に住んでいると実感が湧きませんが世界では水不足問題が深刻化しており、早急に解決する必要があります。
2030年までに水の需要が供給を40%も上回ると予測されています。
そこで注目されているのがエコラボです。
エコラボの事業内容
エコラボの主なビジネスは節水ソリューション、衛生ソリューションです。
水不足なら水が潤沢な国から輸入すればいいと思うかもしれませんが、水は原油のように世界価格というものがなく輸送に向いていません。
そこでエコラボの製品・サービスが活躍します。
また、病院での院内感染を防ぐための消毒剤、ホテルやレストランなどで使用される業務用の食洗機・洗剤の販売などをしています。
顧客にはアップル、マクドナルドなどの大手優良顧客が多いです。
マーケットシェアは10%なので大きいとは言えないですが2位以下と比べるとダントツのシェアです。
競合の規模はあまり大きくなさそうなので無理のない買収でシェアを拡大できるのではないでしょうか。
エコラボの業績
売上が2012年に大きく上昇していますがこれは水処理サービス大手のナルコを54億ドルで買収した影響です。
エコラボは景気に敏感とされる素材セクターではありますが売上の90%以上がリカーリング・レベニューなのでリーマンショッック級の暴落時でも影響は軽微と予想できます。しかし2015年は原油価格の暴落により利益が悪化しています。
セグメント、地域はよく分散されています。
EPSは毎年15%の成長を目指していて、過去20年と過去10年のCAGRはともに+11%でした。
エコラボは連続増配27年の配当貴族ですが、配当だけでなく自社株買いも積極的です。
キャッシュフローも右肩上がりです。
原油価格が戻ってきた2017年からは営業CFマージンが15%を超えています。
潤沢なFCFの使い道は配当を優先していますが買収は多く2005〜2015年で92社も買収しています。
- 配当(EPSの成長に合わせて)
- 買収
- 自社株買い
ナルコの上流部門サービスをスピンオフ予定
エコラボの売上の16%を占めるナルコの上流部門サービスを2020年の中旬にスピンオフする予定です。
この上流部門サービスの営業利益はたったの7%でエコラボの営業利益が14%だったことから、かなり足を引っ張っていたのでこのスピンオフはしかたありません。
上流部門サービスに使っていた資金は食品・水・ヘルスケアサービスに集中させ、配当は維持する予定です。
まとめ
エコラボはゲイツ・メリンダ財団とカスケード・インベストメントが投資していて配当貴族銘柄ということもあり、存在は知っているという人も多かったと思いますが米国株ブロガーには人気がありませんね。
事業内容はESG投資にふさわしい銘柄です。
利益率が悪かった部門のスピンオフも決まり、利益率がよくなることは確実です。
競合の規模が小さいので今後もこれまでどおり多くの買収を続けることで安定した成長を続けると思います。
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