私はブリストル・マイヤーズ・スクイブ(以下BMY)がセルジーン(CELG)を買収すると発表した時にいいかもしれないなと思っていました。
そして、ようやくCELGのOTEZLAがアムジェン に売却されるのが決まり2019年末までに買収が完了する予定です。
BMYがCELGを買収するとこうなりますよという発表をしているのですが、もしそれが実現するのなら今の株価は安いんじゃないかということで検証していきます。
BMYの発表
- 買収完了後の初年度はEPSが40%以上増加する
- バランスシートが強固になる
- フリーキャッシュフローは3年間の合計で450億ドル以上になる
- 近い将来に6種の製品が販売される予定
- 上記の6種の製品の売上は150億ドルを超える予定
- ランレートコストシナジーは2022年までに25億ドル
- 配当は維持する
買収完了後の初年度はEPSが40%以上増加する
来年のEPSが40%以上も増加すると発表しているにもかかわらず、今のBMYの株価は47.93ドルでPERは12.64でPERで判断すると割安な状態です。
2019年コンセンサスはEPSが4.28です。
単純に計算すると4.28×1.4×12.64=75.71となりめちゃくちゃ割安に見えます。
しかし、市場はこれを信用していないので今の株価となっているわけです。
バロンズでもBMYは今は割安な銘柄と紹介されていましたので単純に人気がないだけなのか財務的にめちゃくちゃ不安があるといったことも考えられます。
本当にEPSは40%も増加するのか?
買収の内容はBMYはCELGの株主に対しBMY1株+50ドルを支払うとなっています。
なのでBMYとCELGの発行株式数と純利益を確認します。ソースはモーニングスターです。
BMY
発行済株式数:1,637,000,000
純利益:6,207,000,000ドル(TTM)
CELG
発行済株式数:720,000,000
純利益:5,271,000,000ドル(TTM)
BMY+CELG
発行済株式数:2,357,000,000
純利益:11,478,000,000ドル
上記をもとに買収後のEPSを計算すると4.87ドルとなりました。
4.28ドルから40%増加すると5.99ドルなので全然足りません。
BMYは50億ドルの自社株買いを発表していましたが上述のアムジェンにOTEZALAを134億ドルで売却することが決まったことにより自社株買いを70億ドルにすると発表しました。
BMYが48ドルで70億ドルの自社株買いをしたとすると145,800,000株減らすことができます。
BMY(70億ドルの自社株買い後)+CELG
発行済株式数:2,211,200,000
純利益:11,478,000,000ドル
上記をもとに計算するとEPSは5.19ドルとなりました。
20億ドルの売上のOTEZLAが失くなるのはイタいですが
- 売上比率が大きい主力製品の売上は成長中
- 直近の決算で両社ともガイダンスを引き上げている
- 買収によるコスト削減効果
- 2019年にいくつかの医薬品は承認されていてCELGは2020年の後半までに4つの新薬が承認される予定
などの理由からEPSは5.99ドル以上になるかはわかりませんが5.19ドル以上にはなるのではないでしょうか。
仮に5.19ドルで今のPERだとすると株価は65.6ドルとなります。
特許切れリスク
CELGの売上の6割を占めるRevlimidは2022年の3月まではジェネリックは販売されないし、販売されても2026年までは販売数量に制限があるようです。
まとめ
とりあえず私が検討した結果は以下の通りです。
- 割安に見える
- EPS40%以上もの増加は不安だけど無理とも言い切れない
BMYは米国株投資家にあまり人気がないようですが「株式投資の未来」で運用成績ランキングで第3位で年率平均リターンは16.36%でした。(1957〜2003)
さらにバフェット並みの運用成績だった伝説の個人投資家アン・シェイバーの主力銘柄でもあります。
最近、私はヘルスケアセクターの銘柄の比率を高めたいと思っていたのでBMYへの投資を検討中です。
低PERの銘柄ばかり集めるのもなんなのでメルク【MRK】や医薬品銘柄以外のヘルスケア銘柄への投資も検討中です。
関連記事です。
以下の記事で触れていますが実は一時期BMYを保有していました。
リライトしてないので情報は少し古いです。
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