医薬品が承認されるのがとても難しいというのはなんとなく知っていたのですが、アムジェンの本を読んで「こんなに難しかったのか!」と思ったので備忘録として記事にすることにしました。
医薬品が承認される確率
米国の主要な製薬企業がやバイオテク企業が会員になっている米国製薬工業協会(PhRMA)によると初期段階の実験で有望と考えられた5000の候補化合物の中から臨床試験まで進むことができるのは、たったの5つしかありません。
そして、5つのうちたった1つだけが米食品医薬品局(FDA)の承認を得ることができます。
なので承認される確率は1/5000ですが、残りの4999にも莫大な時間とコストがかかっています。
医薬品の開発コスト
タフツ大学の研究によると医薬品の失敗分も含めた全コストは年々上昇しています。
1979年:1億3800万ドル
1991年:3億1800万ドル
2003年:8億2000万ドル
だいたい10年でコストは2倍以上にまで上昇していることから現在の1医薬品当たりのコストは16億ドルぐらいかかっているかもしれません。
医薬品が承認されるまでの時間
前臨床試験
動物を相手にする前臨床試験は平均で520万ドルの費用と3年半の時間がかかります。
その後に前臨床試験の試験結果や臨床試験の計画は、臨床試験実施申請資料(IND)としてFDAに提出されます。
FDAがINDを精査し30日以内に申請を拒絶しなかった場合に限り臨床試験に進むことができます。
フェーズ1
20人〜200人の健常者に副作用が出ない安全な投与量とどのように投与すべきか(経口それとも注射)を検証します。
試験期間:6ヶ月〜1年
コスト:1520万ドル
フェーズ2
200人〜500人の健常者および対象疾患の患者に有効性の根拠を示しているか、適切な用法・用量を確認を検証します。
試験期間:1年〜2年
コスト:2350万ドル
フェーズ3
300人〜5000以上の患者に実験データは統計的に意味のある有効性を示しているか、長期間の使用が副作用を起こすかを検証します、
試験期間:2年〜3年
コスト:8630万ドル
新薬申請(NDA)
フェーズ3の後に10万〜50万ページにもなる新薬申請(NDAまたはBLA)を作成しなければなりません。
この作成に約1年〜1年半かかり、FDAがそれを審査するのに1年かかります。
なので1つの医薬品が承認されるまでには10年ぐらいはかかることになります。
まとめ
承認される確率:1/5000
失敗も含めた1医薬品当たりの開発コスト:8億ドル(現在は16億ドルぐらいかも)
承認されるまでの時間:10年
とても険しい道ですね。
知れば知るほど医薬品・バイオ銘柄への投資がリスクが高いと思えてきます。
でもセクター別のリターンではヘルスケアが1位ですのでどうしても投資したいと思ってしまいます。
私は現在、ヘルスケアセクターではギリアドとHDVで数銘柄を保有していますが医薬品・バイオ銘柄の個別銘柄への投資はリスクが高いので、もう2〜3銘柄ぐらい増やしたいと思いました。
前からアッヴィ とアムジェンは欲しいのでいずれ投資しようと思います。
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