資本の独占とはgoo辞書によると
特定の資本が他の競争者を排除し、生産と市場を支配している状態
としています。
このような企業に投資することができれば一気に経済的自由に近づくことができます。
投資の神様と呼ばれるバフェットが好きな企業は独占企業です。
そして近年では最高の投資家であるピーター・ティールも独占企業が好きです。
独占企業にはどういう特徴・条件があるのかを知ることで独占企業に投資することができる可能性を高めることができます。
独占企業の条件
ピーター・ティールが考える独占企業の条件とは
これらのいくつかを組み合わせることで独占企業ができあがります。
プロプライエタリ・テクノロジー
プロプライエタリ・テクノロジーを持つ代表的な企業はGoogle・Amazonです。
Googleのプロプライエタリ・テクノロジーである検索エンジンは他社より優れた検索結果を生み出し、さらにスピードも兼ね備えています。
このプロプライエタリ・テクノロジーを持つ企業の優れたところは仮にGoogleより後にGoogleより優れた検索エンジンを開発できたとしてもGoogleからシェアを奪えないということです。
Amazonの創業初期はただネットで本を販売しているだけにすぎない企業でした。
リアル店舗だと倉庫などで在庫を大量に抱えなければなりません。
対してAmazonはユーザーの注文の都度サプライヤーに発注するので在庫を全く抱えていないにもかかわらず、ユーザーには圧倒的な品揃えと在庫があるという風に見せることができました。
このAmazonの戦法は、実態は「ブローカー」なのに「書店」と名乗っているので不正だとして上場の3日前にバーンズ&ノーブルに訴訟を起こされています。
このAmazonの圧倒的な効率の良さをマネした企業はいくつもありますが結局Amazonのシェアを抜く企業は現在も出てきていません。
プロプライエタリ・テクノロジーを持つ企業を負かすために2倍優れた製品・サービスを開発してもそこそこ健闘するだけでシェアの大部分を奪うことができません。
プロプライエタリ・テクノロジーを持つ企業を負かすためには2倍ではなく10倍など圧倒的に優れた製品・サービスを開発するか、まったく新しい製品・サービスを開発するしか方法はありません。
GoogleはMicrosoftのWindowsのシェアを奪えないことがわかっていたので、OSをブラウザに移すことでMicrosoftを負かすことに成功しました。
そして、AmazonはブラウザではGoogleからシェアを奪えない。スマートフォンでもシェアを奪えないのでまったく新しい製品・サービスとしてスマートホームデバイスであるAIアシスタント「Alexa」を搭載した「Amazon Echo」を開発し販売しています。
このAmazon Echoに対抗するデバイスをGoogle・Microsoft・Appleなどが開発していますが今後の戦いには注目です。
他にもAmazonのクラウドサービスであるAWSもITのインフラであるサーバーをデジタル化することでITのインフラ市場で圧倒的なシェアを奪うことができました。
また、このクラウドにはブラウザという概念を破壊する可能性があります。
例えばSaaSは仮想サーバーで動くソフトなのでブラウザを介してどうこうする必要がありません。
こうなるとGoogleはこれまでのようにブラウザに広告を設置しても広告を見る人が少なくなりますしGoogleの検索エンジンも不必要になるので困りますよね。
もっと困るのはマイクロソフトです。OSでもITのインフラでもブラウザでもスマートフォンでもシェアを奪われた(奪えなかった)Microsoftはこれまで敵対視していたOSのLinuxや企業と協力することでクラウドのシェアを奪いにかかっていて、現在シェアを奪う必要があります。
GitHubの買収も仮にクラウドのシェアをあまり奪えなかったとしても開発環境のシェアを守ることができれば新たな戦略をとる時間稼ぎになるし、クラウドのシェアを奪うきっかけになる可能性もあるという考えだと思います。
もし、Microsoftがクラウドでシェアを奪えなければ10年後20年後に、「あのMicrosoftが・・・」ということもありえるかもしれません。
こういう戦いは知れば知るほどおもしろいですね。
ネットワーク効果
ネットワーク効果とは利用者が増えれば増えるほど利便性が高まることです。
代表的な企業はフェイスブックですが日本だとLINEですね。
みんながLINEを使ってるからLINEを使う。これがネットワーク効果です。
クレジットカード会社であるVISAやマスターカードもネットワーク効果がある企業ですよね。
規模の経済
Amazonは規模の経済を活かしすぎた為に最近はヤフコメでよく叩かれていますよね。
ただ、規模の経済があれば市場を独占することができますが利益率が低くなりやすい傾向にあります。
ブランド力
ブランド力といえばAppleでしょう。
iPhoneやMacBookはデザインが優れていることで有名ですが、もうこの世にいないジョブズの存在は今でもApple製品のブランド力を高めています。
まとめ
ピーター・ティールの考えはとても勉強になります。
「Zero to One」には独占企業の条件だけではなく、独占企業になる為の方法もいくつか書かれています。
私は「Zero to One」読んで改めてAmazonは本当にすごい企業だなぁと思いました。
今回の記事ではMicrosoftはヤバイんじゃないの?というようなことを記述してしまいましたが実は現CEOであるサティア・ナディラのクラウドの戦略はピーター・ティールの独占企業になる方法の1つである破壊ではなくライバルと協力することでシェアを奪うという戦略と周辺市場・ニッチ市場から独占していくという戦略をとっています。
なので私はMicrosoftは売却はせずにこれからも保有しつづけるつもりです。
もうこの記事もかなり長くなりましたので記述しませんがAppleの戦略はとてもうまいなぁと思いました。AppleはAmazonのように「すごい」ではなく「うまい」なんですよね。
この戦略のうまさはこれからもAppleのブランド力を維持するものだと思います。
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