2018年は調整というものがすでに2回も起こっています。
ひとつめの2月上旬の調整はパウエルショックと呼ばれているようです。
ふたつめは何ていう名前がつくのでしょうか?
しかし、この調整は米国市場の成長に欠かせません。長期投資を実践している人にとっては特にです。
「ブラック・スワン」などの著者で有名なナシーム・ニコラス・タレブ(以下タレブ)の「反脆弱性」によれば、
安定は経済にとってよくない。後退することもなく、ずっと成長を続けている企業は非常に脆弱になる。
これはどういうことかというと、大きな失敗をしないために安定を求めていると非常に脆弱になる(失敗や予期せぬ出来事への対応力がない)が、安定感がなく小さい失敗を繰り返していると反脆弱性になる。(失敗することになれているので、失敗や予期せぬ出来事への対応力が付いている)
すなわち、この調整は株式市場にとって小さな失敗。
これまで安定的な市場にただ乗っかっていた未熟な投資家・短期トレーダーなどなどが株価が下落するという情報による株の売却、株価の下落により不安になり株を売却することで市場から退場したことの集合体が今年の調整です。
この小さな失敗により、弱者は市場から退場します。
「弱者が退場する=市場に残っている投資家のレベルが高くなる=米国市場の成長」
というのがタレブの考えです。
ということは、大暴落が来てそれでも残っている投資家や企業は、みんなレベルが高いということなのでまた市場は成長します。
すると、また新たな投資家や企業が市場に参入することで市場の成長が加速します。
そして、また弱者が退場する。
この繰り返しが米国市場です。
米国市場としているのは日本市場の場合は政府が株を買い支えしているからです。
タレブいわく、市場の成長・安定に政府が過度に手を貸すのは良くないとしているからです。
また、タレブはその弱者(起業家)に向けてこのような発言をしています。
君たちの大半は失敗し、侮辱され、金を失うだろう。だが、君たちが地球の経済を成長させ、他者を貧困から救うために冒したリスクと犠牲に、我々は感謝している。君たちこそ反もろさの源なのだ。国家から君たちに感謝の意を表する。
これは「長期投資家」から「早く金持ちになりたいという理由で株を始めた多くの人」へのメッセージとも読み取れるなと私は思いました。
過度な自信を持つのは危険ですが、しっかり投資銘柄を分散し優良企業やS&P500などに投資している長期投資家なら大暴落がきても、きっと乗り越えられるはずです。
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まだ私は上巻の50%ぐらいしか読んでないのに非常にためになっているなと感じられる本です。
下巻にはもっとためになることが書かれているかもしれないと楽しみにしています。
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